中国武術史では清代から現代までをとりあげています。中華人民共和国成立後(新中国期)の状況が日本ではあまり知られておらず、20世紀前半までの歴史にとどまりがちです。今の中国武術の状況を知るためにも、20世紀後半以降の歴史も深く掘り下げています。
新中国期 10. 台湾・香港・マカオの武術
戦後の台湾・香港・マカオでは、中国大陸からの武術家流入により伝統が保存・発展しました。香港は詠春拳や映画を通じ国際化し、台湾は北派を系統的に継承、マカオは競技で展開しました。現在は健康・文化遺産として継承されています。
新中国期 9. 国際交流と世界への進出
1960年より中国武術隊の海外表演が始まり、1970年代には米大統領接見など国際的反響を呼びました。1980年代以降は積極的な世界進出方針の下、指導者派遣や国際組織設立が進み、1990年に国際武術連合会が正式発足し、武術の世界的普及が大きく促進されました。
新中国期 8. 武術科学研究
新中国期の武術科学研究について、1987年に中国体育科学学会武術学会が設立され、全国的・国際的な学術研討会が多数開催されたこと、また『中華武術』をはじめとする専門刊物や多くの武術理論著述が刊行され、研究の深化と普及に大きく寄与しました。
新中国期 7. 武術遺産の発掘・整理
新中国成立後、武術遺産の発掘・整理が本格化。1979年の通知を機に調査が進み、1983〜86年には全国で8000人超を動員。129種の拳種を明らかにし、膨大な資料を整理・記録した空前の事業でした。
新中国期 6. 武術競賽の発展変化
新中国成立後、武術は1953年天津大会で競技化の第一歩を踏み出し、1959年に初の『武術競賽規則』が制定されました。套路・散手・太極拳推手などが体系化され、全国大会や選手等級制度が確立。文革で一時中断後再開し、現代競技スポーツとして発展しました。
新中国期 5. 社会武術運動の興起
社会武術は武術事業全体の一部分として、党と国家から重視されています。1950年代初頭、党と政府の呼びかけのもと、社会武術活動はまず労働者・農民・学生の中で急速に復活・発展しました。その後、不断の努力を経て、全国範囲に徐々に広がりました。
新中国期 4. 武術優秀運動隊の創設と発展
武術優秀運動隊は、武術人材を育てる重要な拠点です。1960年代初頭に始まり、長年の発展を経て徐々に成長し、特に1980年代以降急速に発展しました。ここでは運動隊の創設と発展をたどり、その技術訓練の内容を紹介していきます。
新中国期 3. 学校武術教育
民国時期の学校体育教育にはすでに武術の教学内容がありましたが、当時の武術の授業は学校が雇う教師の状況によって決まっており、保証がありませんでした。中華人民共和国が成立した後、武術は優れた民族文化遺産として重視されるようになりました。
新中国期 2. 武術組織機構の建設と発展
国家武術機構の建立と発展中華人民共和国が成立した後、武術は民族伝統体育の一部分として、党と政府から重視されるようになりました。国家体委が成立するとすぐに、民族形式体育研究会を設置し、武術などの民族形式...
新中国期 1. 武術発展の条件(2)発展期
共産党の第十一期三中全会で確定した「思想を解放し、頭を働かせ、実事求是で、団結して一致して前を向く」という方針は、武術の仕事を本来あるべき現実に即した位置に引き上げ、武術運動に新鮮な活力と勢いを与え、発展する新しい局面を切り開きました。