ここでは清代から現代までをとりあげています。中華人民共和国成立後(新中国期)の状況が日本ではあまり知られておらず、20世紀前半までの歴史にとどまりがちです。今の中国武術の状況を知るためにも、20世紀後半以降の歴史も深く掘り下げています。
清代 6. 清代武術名著擇要
清代の武術名著を紹介した記事。呉殳の『手臂録』(槍法の集大成)、張孔昭らによる『拳経・拳法備要』、黄百家の『内家拳法』、萇乃周の『萇氏武技書』、早期心意拳を記す『六合拳譜』、李亦畬の『太極拳譜』など、各書の著者・内容・意義を丁寧に解説。
清代 5. 武術流派の発展
清代に武術流派は大きく発展し、百余種の拳種が体系化されました。類似技法の合流による大流派形成(少林派など)、支系の繁衍(各式太極拳)、諸家の融合による新派創立(蔡李佛拳・五祖拳など)の三類型が見られます。
清代 4. 民間武術と教門・結社
清朝は邪教を厳禁する一方、民間武術の練習は容認。白蓮教・天地会・拜上帝会などの秘密結社は、拳棒の伝授を隠れ蓑に組織を広げ、武装力を養いました。結果、紅拳・梅花拳・八卦拳などが広まり、義和団や太平天国の蜂起にも深く関与し、武術の普及を促進。
清代 3. 発展の趨勢
清代に入り、火器の普及により武術は軍事的価値を失い、1901年に武挙が廃止されました。一方で民間では反清結社や自衛・健康・修養・娯楽の目的で興隆し、文人層にも広まり理論が発展。太極拳や八卦掌などが健身重視で改変され、スポーツ化への道を開きました。
清代 2. 武術対伝統文化の摂取
清代の中国武術は、伝統文化の精華を積極的に吸収・融合。天人合一の思想に基づく全体観を完善させ、太極拳・八卦掌・形意拳といった哲理に根ざした流派が誕生。また気功との交融が進み、内功を重視する内家拳が発展し、武術の理論化と健身価値を向上。
清代 1. 官営武学と武挙制度の末期
官営武学の衰微清朝の科挙は「騎射を以て本とし、右武左文」と強調し、文武兼備の人材を選抜しました。科挙と密接に関連する官学は、この原則に従って文武の兼習を重視し、武学を単独で設けることはなく、武生は儒学...
民国期 7. 武術思想与学術研究
民国期の武術観は技撃中心から体育的・科学的理解へ深化。精武会や北京体育研究社などが体育価値を提唱。唐豪らは唯物史観に基づき神話的伝承を批判・考証。また、易理解説、伝統整理、源流考証、西洋体育導入の論著が多数現れ、武術の近代化と学術化を促進。
民国期 6. 武術運動競賽与表演
民国期における武術の競技化と海外普及を概観。1923年の初の武術運動会を皮切りに、評点規則や国術国考が導入され、近代競技への移行が進みました。また1936年には南洋旅行団やベルリン五輪での表演を通じ、中国武術が海外へ広く伝えられました。
民国期 5. 武術進入学校体育課
辛亥革命後、尚武精神の高まりを背景に、1915年の全国教育連合会で伝統武術を学校必修課とする議案が可決され、教育部が通達を出しました。これにより武術が正式に学校体育に編入され、若干ながら、民間拳師や専門学校卒業生による教師養成も進みました。
民国期 4. 中央国術館の顛末
1928年、張之江らにより南京で中央国術館が設立されました。中国武術の提唱と全民の健康増進を宗旨とし、人材養成のための各種班を開設、国術国考を実施、教材や専門誌を刊行しました。全国に国術館網を広げ、武術の近代化と普及に大きく貢献した機関です。